枝野臨時・福山定例記者会見詳報、「初閣議で今年度減額補正しない」「衆院選遊説基本方針を本部が発出し総支部は策定義務化」「山本れいわと小選挙区調整あすがきっかけになる」」

枝野幸男代表の臨時記者会見と福山哲郎幹事長の定例記者会見が連続して開かれました。

枝野さんは冒頭1つのことを発言し、12項目の質問に答えました。
福山さんは冒頭2つのことを発言し、13項目の質問に答えました。

テレビは自民党総裁選に「ジャック」されており、昼のフジ「バイキング」には高市早苗さんがリモート出演し、司会の坂上忍さんやレギュラーのヒロミさんが「私たち芸能界で無派閥だから」などと盛り上げました。出馬表明済みの岸田文雄さんは加計再調査公約に安倍前首相がケチをつけて軌道修正。河野太郎さんも週内に出馬表明するとみられます。

きょうは出馬会見がなかったこともあり、枝野さんが臨時会見した内容は、NHKニュース7の2番目のニュースとなり、SNSでの報道批判とあいまって、発信が功を奏しました。

枝野さんは「政権移行プログラム1 政権発足後、初閣議で直ちに決定する事項」としたA4判1枚を配布。

1.補正予算(案)の編成(新持続化給付金など少なくとも30兆円規模)
2.官邸に総理直轄で官房長官をトップとする新たな司令塔「新型コロナウイルス対応調整室」を設け、専門家チームも見直す
3.2022年予算編成の見直し
4.日本学術会議人事で任命拒否された、加藤陽子・宇野重規両東大教授ら合計6名を任命する
5.ウィシュマさん死亡事案における監視カメラ映像の公開
6.赤木ファイル関連文書の開示
7.森友・加計学園・桜を見る会の問題真相解明チームの設置

をあげました。

質疑応答12項目のうち、9番目は筆者が質問し、12年前と違い「時間的余裕がないので、今やっておくべきことをする」とし、今年度当初予算でついているものを、減額する補正はしないと明言しました。(1)番目の質問への答えで「法改正が必要ないものを選んだ。コロナ対策は厚労省、総務省所管も多く官房長官をトップとすべきだと」。(5)で、「初閣議で明確にできるものをピックアップした」としました。(3)きょうの7項目は、今後発表する政権公約と一体になるものだとしました。(4)項目目で、枝野さんは「この間(4年間)ご尽力いただき、二大政治勢力による政権交代の二者択一できる状況は作れた。安倍・菅政権で、国民が分断され、政府の敵か味方かに分かれることになった」と、多少印象に残るパワーワードを発信。

一方、「ゼロコロナ」という言い方をやめたことについて、(2)(7)で問われ、「国際的にはゼロコビッド(COVID)は通用しているがどういう表現が国民に分かりやすいか考えている」「(岸田総裁候補のウィズコロナとの違いは)感染を止めることを第一に考えている」とし、立憲「ゼロコロナ戦略」と連合と立憲・国民の「アフターコロナの社会像」の文書のタイトルを見直したい方向性を示唆しました。

(6)きょうも安住国対委員長が森山国対委員長に臨時国会召集を求めたことに関して「憲法上、菅内閣は国会を召集しなければならないとの義務を負っている。持続化給付金、困窮した人への(第2次定額)給付金、予備費の積み増しなどの補正予算をすべきだ」としました。

(8)「モリ・加計・桜」に河井夫妻事案を入れるかについて、オリパラのの経理なども含めて検討したいとしました。(10)(11)タイミングについては、「菅総理辞任のタイミングで準備を始めた」としました。(12)政策に加えて閣僚の顔ぶれを発表した方が選挙で有効なのではないかとの問いに「一つのご意見として受け止める」と述べ、否定しました。

続いて、福山幹事長。常任幹事会の報告として「2021総選挙 遊説基本方針 立憲民主党 福山幹事長 平野選対委員長 9月7日付」の1枚紙を説明。「県連、総支部は活動計画を早急に策定し、9月中旬以降の応援弁士要請を行う」「応援弁士とスタッフはPCR検査をして、3密回避の徹底をし、ターミナル駅頭、選挙区中心地に限った街頭演説と、リモートによる演説会等を行う」「党本部役員は9月中旬から投票日前夜までの遊説日程を拠出しなければならない」「10月10日までに、全都道府県でリモートも含めた役員遊説を必ずする」「それ以降は情勢を踏まえて日程を組む」「遊説計画の決裁は、福山幹事長・平野選対委員長がする」との内容。これについて福山さんは口頭で、「横浜市長選挙の遊説担当者から聞いたら、3密回避のため動員はほとんどせず、街頭活動で感染対策について批判を受けたことはめったになかった」という趣旨のヒアリングができたので、方針を発出することを常幹にはかったと説明しました。

冒頭発言の2つ目は、「麻生大臣が今朝の閣議後会見でコロナは収束したと発言したようだが、病床はひっ迫しており、さすがに認識を改めてほしい。臨時国会を開くべきだ」と語りました。

質疑応答は13問。(1)(2)東京地裁がきょう秋元司衆議院議員に懲役4年の実刑判決を出し秋元議員は控訴する見通しであると、自民党を離党した議員は関係ないという姿勢をとる幹部がほとんどであることについて「現職の国会議員が逮捕され、実刑判決を受けたことは衝撃だ。今すぐ議員辞職すべきだ。また、河井夫妻、菅原一秀前議員らが離党ですませようとしたことは問題だ」としました。

(11)経済政策がないとの批判は「順次発表していくので今しばらくお待ちいただきたいとしました」。(10)河野太郎さんと脱原発について「河野さんの考えは分からない」。

(3)事業仕分けについては、やらないものの、予算編成には考え方を生かしていきたいとしました。(4)LGBTのうちT、トランスジェンダーの性同一性と性自認について「そこから少し外れた人が差別されないようにしたい」としました。

(5)遊説基本方針の10月10日まではリモートも含めた意味だと説明。

(6)大阪5区の長尾秀樹衆議院議員が立候補を取り下げて引退すると大阪府連が発表し報道されていることについて、「総支部長を降りるという常幹の手続きが間に合わなかっただけで、党本部は把握している」と情報の連携は十分にとれていると強調し「長尾さんは引退する」と党本部幹事長の立場で明言しました。

(7)市民連合が発表したあすの政策提言式について、「あす朝8時45分から開催。野党なに党で受けるかはギリギリまで調整している。山本太郎・れいわ代表も出席すると聞いている」「選挙区で一本化する一つの段階となる」と述べました。(13)れいわとの小選挙区調整で、千葉8区で自・立・共・れの4人が立っていたところ、れいわの太田和美元議員が柏市長選への転出を今週表明することについて「あす、山本太郎代表があした来られる。野党でまとまることは大歓迎です。今後なんらかの話し合いを持つことになると思う。あす来てくれるのは大歓迎で、きっかけになる」としれいわとの小選挙区調整を始めることを明言しました。

(9)閣僚の顔ぶれについては「影の内閣は打ち出さない」としました。

(8)岩手1区の公認問題では「平野選対委員長から聞いていない」としました。
(12)きょうの記者会見などで「政権交代が当然の空気で一方的に進んでいる」との指摘については野党の連携を進めていくとしました。

【きょう 与野党国対委員長会談】

上述の通り、ありました。

【きょう 野党合同国会】

ヒアリング改め「野党合同国会」が開かれました。

【あす】

朝8時45分から、上述の市民連合政策提言受け取りがあり、国民民主党がどうするかまだ分からないようです。夜はユーチューブライブ「りっけんチャンネル」でも枝野代表が発信。

午後1時から、全国総支部長会議がオンラインで開かれ、具体的な指示がありそうです。このほか、高等教育無償化の団体から提言を受け取ったり、インボイス延期のため財務省副大臣室を訪れたりするなど、細かい政策の最終調整となります。

自民党総裁選をめぐっては、高市早苗さんが議員会館の最も大きい会議室が、誰かが予約していて使えないとの趣旨の発信をしています。が、あす8日記者会見する、と発表したようです。岸田文雄さん、河野太郎さんの動きも注目されています。

共産党は第3回中央委員会総会を党本部(党中央委員会)で開催。

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