「骨太の方針2021」による、2022年通常国会への法案提出は感染症法改正案程度にとどまりそう

[写真]首相官邸(手前)と内閣府(中央)、おととし12月宮崎信行撮影。

菅義偉内閣は、経済財政運営と改革の基本方針2021、いわゆる骨太の方針2021の案をきのう経済財政運営諮問会議に出しました。国会閉会後に閣議決定されます。

予備費5兆円や、国家戦略特区法などもあり、予算措置や省令改正で政策が実現できる体制となっており、国会審議が伴う法律改正案提出の必要性が薄れています。

●治験の法改正は含まれないものの、感染症法改正案は2022年国会提出

素案にあったとみられる、ワクチンの治験に関する薬機法などの改正検討は漏れ落ちたようで、5ページに「平時からの開発支援を含め治療薬やワクチンについて安全性や有効性を適切に評価しつつ、より早期の実用化を可能とするための仕組み、ワクチンの接種体制の確保など、感染症有事に備え取組について、より実効性のある対策を講じることができるような法的措置を速やかに検討する」との表現にとどまりました。2022年通常国会に「新型コロナ特措法、感染症法、薬機法などの改正案」が提出されるかもしれません。

●入管難民法改正の廃案の内容は、技能実習生法施行2年見直しとセット

今国会で廃案が決まった「入管難民法改正案」(204閣法36号)がらみですが、2018年臨時国会最大の対決法律となった「外国人技能実習生法」の「施行2年後の制度の在り方に関する見直しの検討を行う」ほか、今国会で廃案となる不法滞在の長期収容等の過大解消、在留カードとマイナンバーカードの一体化の検討、外国人が暮らしやすい地域社会づくり、在留手続きにおけるデジタル化の推進、外国人の支援団体への政府の支援、中長期的な課題について法務省内で検討していくことになりました(26ページ)。

当ニュースサイトは先月26日付記事で、この動きを既に伝えました。

十倉雅和さんが先週1日付で経団連会長になったことから、経済財政諮問会議民間委員に、十倉雅和さんが就きました。

また、来るべく第49回衆院選の後に、枝野幸男・立憲民主党内閣になった場合は、この改革工程表は、いったん白紙に戻ります。

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