【6/9】閉幕へ、2年ぶりに党首討論が開かれ、国民投票法改正案が委員会(審査会)可決

[写真]党首討論が開かれた参議院第一委員会室に取り付けられた、院の中継用カメラ、4年前、宮崎信行撮影。

風向きが変わりました。ワクチン接種スピードと感染縮小で、東京五輪は開くべきだとの世論が再び中心となり、無観客かどうかなどに移りつつあります。

国会は7つの法律が成立。党首討論が開催。国民投票法改正案が参議院の委員会(審査会)でも可決しました。

【党首討論 きょう令和3年2021年5月9日(水)】

2年ぶりに党首討論が参議院で開かれました。菅首相に対して、枝野代表が30分、片山虎之助団長が5分、玉木代表が5分、志位委員長が5分。枝野さんは、2011年民主党通常国会の70日間延長のように会期延長と補正予算案を要求。片山さんは、「ワクチン接種は立ち上がりが遅かったが良くやっている」とし、玉木代表は「30兆円繰り越したのは誇れることではなく、前年度末までに使うべきものを使えていなかった」と指摘。志位委員長は五輪を中止し、財源を振り向けるよう求めました。なお、公明党の高木陽介国会対策委員長は、先日のNHK日曜討論で、山口代表も登板できるようにすべきだと主張しました。

【参議院憲法審査会 同日】

「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法42号衆修正)。

立憲民主党の小西洋之さんは、答弁に立つ自民党の中谷元・元防衛相に対して「中谷さんが言っている立憲主義は、権力の分立」とし憲法教科書でいう立憲主義の定義である「権力の制限」と違っていると指摘。中谷さんが答弁を前に衆議院法制局の助けを求めようとすると、小西さんは拒み、中谷さんは「分立と制限は同じ意味だ」と苦しい答弁をしました。あくまでも現実として、防衛大学校には法学部が全くありませんから、自衛官出身者が憲法に弱いのはどうにもならないのが戦後日本の現実です。小西さんは不満を漏らしましたが、衆議院側の立憲民主党の山花郁夫さんが「現代において、立憲主義は多義的であり、(成文憲法でなく)国会による政府の統制も含まれる」と中谷さんを半分フォロー。小西さんも採決には応じられると矛を収めた表情で、質問を終えました。

維新の松沢成文さんが修正案を出しましたが否決。採決の結果、共反対、自公立国維賛成多数で可決すべきだと決まりました。衆の審査会で、維新は修正案に反対しましたが、きょうは賛成したようです。本会議では衆議院修正1本だけの採決ですので、金曜日に共反対、自公立国維賛成多数で可決し、成立するはこび。

【参議院本会議 同日】

7法律が成立。

「令和元年度決算の承認」は、立維国共反対、自公賛成多数で承認されました。国有財産無償貸付状況計算書は、立共も賛成に回りました。

「特定商取引法及び預託法を改正する法律」(204閣法54号衆修正)は立共反対、自公国維賛成多数で可決し、衆議院修正通り成立しました。ジャパンライフ問題をきっかけに消費者庁が作成しましたが、その過程で井上信治大臣の「デジタル、全部やれ」発言で、高齢者へのクーリングオフ書面の完全電子化が可能となる改正法となっていましました。衆修正で施行日が先送りされました。

「鳥獣被害防止特別措置法を改正する法律」(204衆法26号)は全会一致で可決し、成立しました。ジビエ振興で市町村が県の予算措置を求めることができるなどの改正。

「改正水資源基本法」(204衆法25号)は全会一致で可決し、成立しました。地下水を追加する改正法。

「改正東京オリパラ特措法」(204衆法21号)は立国共れが反対し、自公維が賛成して可決し、成立しました。アスリートの一部の薬物の日本持ち込みが可能になる特例法。

「改正産業競争力強化法」(204閣法23号)は共反対、自公など賛成多数で可決し成立しました。2050年カーボンニュートラルを踏まえて環境関連の設備投資を2割税額控除できるなどの包括改正法。私はこういう立法は断固止めるべきだと考えます。

「建設アスベスト従事健康被害者への給付金支給法」(204衆法28号)が全会一致で可決し、成立しました。既に昨日、厚労省がコールセンターを設置、最高額1500万円。今後は最高裁判決に基づくメーカーの基金への参加を説得する作業も政官に期待されます。

「ILO105号条約批准のための国内実施法」(204衆法21号)が共反対、自公立国維賛成多数で可決し成立しました。国家公務員法の懲役刑を禁固刑にする内容。

「政治分野における男女共同参画推進法改正案」(204参法34号)は全会一致で可決し、衆議院に送られました。

【衆議院内閣委員会 同日】

議員立法の常連、自民党の河村建夫元文部科学大臣が、「宇宙資源の探査及び開発に関する事業活動促進法案」(204衆法 号)を提案。質疑があり、採決で、共反対、自公立国維の賛成多数で提出すべきだと決まりました。私が傍聴した、JAXA理事出向の川端元官僚の有罪確定があったので、少し成立がずれ込んだこともあるのでしょうか。それと、もう明文な法規定なのでいいのですが、私は仏教真言宗徒なので、地上にある自分の体も宇宙なので、宇宙開発となると自分の体やその呼吸も対象となってくるので今後の立法ではその旨を念頭に置いていただきたいと思います。

上述の参・本会議から回ってきた「政治分野における男女共同参画推進法改正案」(204参法34号)が審議され、全会一致で可決すべきだと決まりました。あす成立のはこび。

【参議院災害対策特別委員会 同日】

「災害時とパンデミック時の病院船推進法案」(204衆法20号)が全会一致で可決しました。政府に対して、法施行後速やかな法制上・予算上の所要の措置を求める法案で、すぐに動き出しそうです。

【衆議院厚労労働委員会 同日】

一般質疑。長妻昭筆頭理事が求めた「東京オリンピック組織委の副事務局長の参考人招致」が認められず、理事会が長引きました。長妻さんは「私も地元で、おめえら野党がだらしないからオリンピックをやめられないんだといわれる」と珍しく東京弁を披露しつつ、都議選と東京五輪を直前に控えた苦悩を吐露しました。

【衆議院文部科学委員会 同日】

一般質疑。丸川五輪相が答弁。

このエントリーの本文記事は以上です。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。

関連記事

コメント

  1. この記事へのコメントはありません。

  1. この記事へのトラックバックはありません。

ページ上部へ戻る