岡田克也元外相「やるせない」現地で「最貧」「汚職」支援表明のアジア中南米2か国が受難、アフガニスタンのカブール陥落でタリバンが政権復帰、ハイチは大統領不在の大地震で犠牲者多数

[写真]「やるせない」=「大辞林第2版」から。

「やるせない」と表現しました。

きのう、グリニッジ標準時の2021年8月15日(日)は世界で大きな出来事が起きました。アフガニスタン・イスラム共和国の大統領が、首都カブールから第三国に出国したと表明し、タリバンが大統領宮殿に「無血入城」しコーランを朗詠。「アフガニスタン・イスラム首長国」に国号を19年ぶりに改めて、政権を奪取したと宣言しました。コロナ禍と1月のバイデン政権の撤退方針から、国の三つの隅から包囲し8月11日頃から僅か4日間の電撃作戦で、首都が陥落。世界はあっけにとられています。タジキスタンとの国境にかける橋やカブール国際空港から大使や民間欧米人、アフガニスタン人などが順次出国。夜が明けた現在も出国が続いています。同時に、SNSでは、グローバルに「サイゴン陥落のようだ」「この20年間の予算と人員はなんだったんだ」と1975年のサイゴン陥落と2021年のカブール陥落を照らし合わせ、アメリカ白人政権による、アジア民族への支配を批判する声が上がっています。我が国では、ペシャワール会・中村哲医師が殺害され民間援助の関心も大幅に薄れていました。

一報、東に飛んで、アメリカ大陸を越えた中南米の島国「ハイチ共和国」。おととい14日朝の地震を受けて、大統領が暗殺されたばかりのハイチで、首相が大統領府から一部の県に非常事態宣言をしましたが、現在の情報では1200人以上が死亡しました。ハイチが黒人が初めて独立した共和国であり、中南米初の有色人種独立国。

世界でも最も貧しい2つの国。岡田克也外務大臣は1年1日の在任中に両国とも訪れています。就任翌月の2009年10月11日にアフガニスタンを訪問しました(外務省要人往来)。このとき、大麻栽培がテロの連鎖につながっているとして、職業支援を表明。帰国後、藤井裕久財務大臣に年間1000億円の予算を要望して、藤井さんが閉口したとされています。岡田さんはハイチは、2010年3月に訪問(外務省要人往来)。ガラスがひび割れた大統領官邸で記者会見をしました。

岡田克也さんは、さきほどSNSで情報発信し、「現政権が、各国の多大の支援がある中で、国民の支持を得られるだけの実績が残せなかったということでしょう。その背景には、根強い汚職体質の存在も否定できません」と米英の傀儡的な政権が支持を失ったとの考えを示しました。ハイチは「(私の)外務大臣時代に巨大地震があり、日本も復興の為に支援し、自衛隊のPKO部隊も派遣を決定。各国の支援にもかかわらず政治は不安定なままです」としました。

そのうえで、岡田さんは両国について、「今まで日本がやってきたことはどこまで意味があったのか、改めて考えさせられました。善良な市民のこれからの苦難を思うと、何ともやるせない思いです」と悔しさをにじませました。

コロナ禍も、トランプ・バイデン当選も、EU離脱も、岡田さんの力が及ぶ範囲ではありません。

やるせないーー大辞林では「思いを晴らすことができずせつない。つらく悲しい。施すべき手段がない。どうしようもない」。

まさにその言葉の通り。

一つだけ感じるのは、新生党同僚である藤井財務大臣について、岡田さんは「引退後もテレビでご指導いただきたい」としましたが、外務省予算の5分の1にもあたる1000億円のアフガニスタンでのケシ畑栽培から転職する職業支援を要望したことについて、どう思っているのか、ということは私も聞いてみたいところです。

世界の動きをもう一つ。デルタ株の感染拡大でロックダウンを解除できないマレーシアでは、コロナ失政を理由に、首相がきょうあすにも退陣する見通しだ、と報道されています。

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