埃まみれにも程がある、平原敏英・横浜市副市長「IRで容積率緩和」「おやじに一本」と業者に2016年6月24日に料亭で伝える 「河本善鎬」10年ぶり登場 週刊文春感想文

[写真]神奈川県横浜市の「山下公園」から撮影した「山下埠頭」、8年前の2013年、宮崎信行撮影。

週刊文春2021年9月2日号(定価440円)に「菅側近噴き出す政権の闇 横浜カジノIR業者から違法接待 ノンフィクション作家森功プラス本誌取材班」が載りましたので、さっそく購入してきました。

その感想文を書きたいと思います。

5年前、2016年の3月4日、6月24日、10月24日などの一連の接待。当ニュースサイトでは同年6月1日付で、「IRカジノ施設法案は今国会でも成立どころか審議すらなく、第191回以降国会へ」と報じており、きな臭さを感じつつ(審議未了廃案のうえ)継続審議を報じています。

週刊文春によると、平原敏英・横浜市副市長が、高級料亭「滝川」で接待を受けました。平原副市長とIR参入をめざす中国企業の会長、不動産会社経営で在日韓国人の河本善鎬さん、石井睦美・公明党横浜市議経験者。3月4日の「滝川」は17万969円の領収書があり、一人あたり4・5万円ほどになります。

一連の接待の中で、2016年6月24日に、平原副市長が先方に「現在法整備を進めているホテルを計画する事に対する容積率緩和措置により、容積率が400%から1・5倍の600%まで緩和可能であり、また高さ制限60メートルを100メートルに緩和予定と伝えられ」とのメモがあるそうです。

平原さんは都市計画局出身のようですから、口利きを確約しており、金額の大きさを考えれば、地方公務員の歴史に残るあり得ない話。さらに「これが本格的に動きだせば、せめて1本くらいはオヤジに持っていかんといかんでしょうね」と語ったとされ、菅義偉衆議院議員(当時は官房長官)に1000万円献金するべきだと話したようです。

当ニュースサイトでは、私は一貫して、小泉・安倍政権が2002年から「都市再生特区」としてすすめる容積率緩和特区をやめるべきだと主張しており、13年前の2008年付の記事でも、「オフィスビルの容積率を緩和するという手垢まみれの魔術で、東京の空を外資に売る。こんなペテンはお天道様が許さない」と書いています。小泉・安倍内閣の容積率緩和で便宜を受けた法人は、サンケイビル(現在は新聞とは無関係だという認識が妥当)、経団連、JA全中、三菱地所、日本経済新聞社、読売新聞社、中日新聞社をはじめ各種多様。たしかに日経、読売などが容積率緩和を問題視する記事を最近載せたことは無いように感じます。

それと両者を引き合わせた「河本善鎬」さん。10年前の2011年3月、菅直人首相・枝野幸男官房長官・岡田克也幹事長トリオがねじれ国会で苦戦。参議院自民党議員から「京都市のオモニ」という在日韓国人女性からの献金の責めを負い、外務大臣が辞任。この件では追及した京都選出の自民党の西田昌司議員が身内からも非難を浴びたとされています。翌週、菅直人首相に「横浜市の河本善鎬さん」から個人献金があると攻められ、防戦一方。3月11日午前中に菅直人首相の代理人が「保土ヶ谷パーキングエリア」で河本さん側に現金を返金しました。それでも参議院自民党は質問通告をしていましたが、震災が発生し、この話は終わりました。

その後、河本善鎬さんは自身が経営する法人から菅義偉さん側に政治献金をしたり、菅義偉さんの事務所があったビルを買い取ったりするなどして菅義偉さんに便宜を図っています。河本さんからの個人献金は違法で、代表取締役をつとめる法人からの供与は合法だとする認識は、必ずしも大手を振って通る道理ではない、と私は考えます。

接待から5年経ってるし、この平原副市長がきられて、そこから話は広がらないかもしれません。しかし、アタマの良い人が、特区や規制緩和、IRの美名のもとに、ずるをしてお金を稼ごうとするのは、そもそもなんで大学に行ったんだというところから、私とは生き方がまったく違うとしかいいようがありません。

埃まみれにもほどがあります。

首相に説明を求めます。

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