20世紀からの構想「病院船」の推進法案が衆・委員会全会一致で議員立法、政府に対して3年前後の法制上の所要の措置を講じる規定

[写真]国土交通省(左手前)や厚生労働省(中央奥)を背にする筆者、3年前の2018年撮影。

阪神大震災当時から、ずっと政治課題としてたびたび浮上してきた「災害時の病院船」に関する推進法案(204衆法 号)が初めて起草されました。

さきほど令和3年2021年5月27日(木)衆議院災害対策特別委員会で、自民党の額賀福志郎元財務大臣や、立憲民主党の逢坂誠二元政調会長らが提案しました。理由の説明では「阪神大震災後、政府は既存船舶を使った実験、訓練をしてきたが、東日本大震災で活用できなかった」としたうえで、きょねん来の新型コロナウイルス感染症を踏まえて、災害とパンデミックの双方で使える病院船が必要だと強調。採決は全会一致で起草すべきだと決まりました。今国会で成立のはこび。

災害時や感染症パンデミック時に、船舶を活用した医療提供体制の整備を推進することを国の責務とし、人員の確保・人材の育成に努めることを規定。船舶の所有者は国又は独法とし、民間資金の活用も可能だとしました。

国権の最高機関、国会として、「病院船」の目的や理念(スローガン)を初めて定めることになります。

そして、この法律案は

(1)公布の日から起算して3年を超えない範囲内において政令で定める日に施行し、
(2)施行後1年以内を目途として法制上の所要の措置を講じて、
(3)施行後5年を目途として検討し、その結果に基づいて必要な措置を講じる

とのプログラムを規定しました。

今後は、内閣に全閣僚による「船舶活用医療推進本部」(本部長=首相)をつくり、事務局を設けるとしました。

内閣府防災担当、厚生労働省、国土交通省などの所管にまたがりますが、強い影響力を持つ日本財団や和泉洋人・筆頭首相補佐官の関係から、国交省主導になるかもしれません。

調査費の予算は法施行以前に、次の概算要求で認められるでしょう。

法案の6月16日(水)までの今国会での成立は確実。

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