もはや「神の国解散」ではない、福山「社長」第49回衆院選は「枝野代表を総理大臣にして政権を担わしていただく」争点に、ほほえましい「卒業論文」の駆け込み提出相次ぐ

[写真]福山哲郎幹事長、きょねん2020年9月17日、宮崎信行撮影。

枝野幸男代表から、立憲民主党の切り盛りを完全に任された、旧民主党系では初めて、中央本部職員を100人規模の大手中小企業にした「福山社長」または「テレビ入り予算委員会以外では縁の下の力持ち」こと福山哲郎幹事長。

きのうのNHK日曜討論では、次の第49回衆院選の争点は「この総選挙は実質的に任期満了であり、4年間の政権、とくに菅政権の評価です。我々は枝野代表を総理大臣にして政権を変えていく担わせていただく準備をして国民のみなさんに訴えたい」と明言しました。菅首相の自民党内における筆頭家老である野田聖子幹事長代行は「少子高齢化に抜本的に取り組むためこども庁の創設にとりくむ」とはぐらかしました。

政権交代可能な二大政治勢力を中心とした選挙制度で、2000年の第42回衆院選では鳩山代表が「森首相の神の国発言を問う神の国解散」、

2005年の第44回衆院選ではワイドショーが「郵政民営化造反組・刺客の選挙」といった政権の枠組みとは直結しない二項対立が設定されました。そこを、福山さんは正面から「政権を担わせていただく準備」を問うと語りました。

民主党系勢力は、県連職員をトータルすれば職員100人態勢でした。しかし、衆議院議員の空白地域での統一地方選の公認で力を持ち過ぎ、行政区支部の創設などで党運営を混乱させてきました。

福山社長のもと、100人となった党本部では政策調査会でも意欲ある若者が集ってきました。

今国会はあさって閉会。今期引退の佐々木隆博さんや照屋寛徳さんにとっては、きょうを入れて最少4営業日で卒業かも。先週金曜日に「農業用植物の優良な品種を確保するための公的新品種育成の促進等及び在来品種の保全に関する法律案」を衆議院事務総長に提出。立憲、共産、国民の3会派提出で、参議院から舟山政調会長・田名部・徳永3議員もかけつけました。

さらに金曜日午後5時になって、「インターネット投票法案」を提出。1期生で再選が盤石とはいえない、中谷一馬さん、源馬謙太郎さん、松平浩一さんらも顔をそろえました。国民民主党の古川元久国会対策委員長も参加しました。

そして、金曜日午後5時45分、1期の岡本章子さん、山川百合子さんが、阿部知子先輩らを引き連れ、「不妊治療に対する保険適用の要望書」を、厚生労働省の保険局長と雇用環境・均等局長に提出。国会議員のセンセイが、金曜の午後5時45府に厚労省に局長をたずねるという慌ただしい「卒業論文の駆け込み提出」となりました。

本気さを感じます。

もちろん、政調が充実していても、選対がしっかりしなければ、絶対に選挙は勝てません。自民党も含めて党本部選対職員は「比例単独の下の人数と県連選挙カーの兼ね合い」という永田町で数名しかしらない実務を通じて、挨拶一つできずに本部に居座る職員が、実は全国選挙を動かしているのが実態です。この辺は未知数ですが、「枝野一枚看板」の遊説日程を、業者作成の情勢調査に基づいて、組んでいくのは比較的たやすい作業だと思われます。

大正デモクラシーでは野党・立憲民政党が政権交代を主張しながら、与党・政友会が「地方分権」ではぐらかした総選挙が複数回ありました。もちろん、人間は白黒で分かれておらず、国論を二分することは日本社会では望ましくありません。第49回衆院選。枝野・福山バッテリーとしては初めて先発マウンドにのぼり、正面から攻め続ける選挙になりそうです。

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